目的に応じた株式投資の使いわけ
誰でもわかっているから、貯蓄に回す資金の実質価値も、消費に回す資金の実質価値と同じ率で下がってしまうのである。
ようするに、消費税をかければ一般物価水準を引き上げることになり、お金を消費に回そうが貯蓄に回そうが、その実質価値を引き下げる度合いは同じなのである。
したがって、消費税が消費を抑制するのは、それによって消費を不利にして消費意欲を削いでしまうからではなく、消費性向の高い人から相対的に多くの税金を取ることになり、国全体としての平均消費性向が低くなってしまうからなのである。
消費税の引き上げには、この他にももっと短期的なインパクトを生み出す効果がある。
消費税引き上げ前のインフレ期待効果である。
将来のある時点で物の価格が必ず2%だけ跳ね上がるとなれば、人はその前にある程度将来の分まで必要な物を購入しておこうとして、いわゆる駆け込み需要が生まれる。
実際、消費税引き上げ前には、住宅や車をはじめとして、特に耐久消費財の需要が跳ね上がり、一時的に景気が回復したように見えた。
当時、本格的な景気回復の始まりだと誤解した人は結構いたのである。
ところが、消費税の引き上げによる物価の上昇は、当然のことそのときしか起こらず、その後の物価の動きは、もとのデフレ基調にもどってしまう。
今回も実際にその通り推移したため、消費税引き上げ後は急いで買う必要はなくなり、消費は冷え込んだままになっているのである。
消費税引き上げが景気を悪化させたということを表面的にとらえ、だから消費税をもとにもどせばいいという声も聞こえてくるが、インパクト効果を考えれば、そうはならないことも予想されよう。
すなわち、消費税が近い将来引き下げられるとなれば、皆はそれまで不急の消費を控え、今よりもさらに景気は悪化するであろう。
また、その後はもとのデフレ基調にもどるだけであるため、買い控え分の消費が少しずつ行われるかもしれないが、消費税引き上げ寸前のような状態にはならないであろう。
結局、前述の消費性向の高い人への減税という意味での消費刺激効果以上には、消費が伸びていくとは思えない。
このように、消費税の景気へのインパクト効果は、消費税の絶対水準が問題なのではなく、その変化の方向と大きさが問題なのである。
社会保障充実の景気への効果所得の再分配を起こすという意味では、社会保障もこれと同様の景気への効果を持っている。
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